生き物図鑑インデックス Home デジラタ・ホーム
イトウ

サケ科イトウ属
学名:Hucho perryi
分布:北海道(東部及び北部の河川や湖沼に多い)。

【解説】
絶滅危惧種にも仲間入りしたイトウであるが、まだ道北の河川にはかなりの個体数が生息しているようだ。しかし、小型化しており、1メートルを超える個体はきわめて稀である。
産卵期はまだ雪解けが終わっていない早春の頃で、それも湿原の川の源流部であるため、めったに人が近づけない。また、ヒグマの生息地でもあるので、ヒグマと雪に保護されてきたとも言えよう。
さらに本種は、産卵後もサケのように死ぬことはなく、数年にわたって産卵を繰り返す事ができる生命力がある。大きな河川では川を下り降海する個体もあるが、北海道のイトウの場合は汽水域や沿岸域に限られるようだ。
昔はエゾシカを丸飲みにしたイトウの話もあるが、そうした超大型は乱獲により影をひそめてしまった。今後、産卵する源流部の保護などを徹底しなければ、北海道全域からイトウの姿そのものが消えてしまうかもしれない。

【映像のサマリー】
定位するイトウ。精悍な上半身〜全体の姿を見る。
顔をアップで観察する。丸太の様な体〜強力な尾ビレ。
雪解けの頃、湿原の川の源流部で行われる産卵行動。オレンジ色の婚姻色の方がオス(顔は黒色)、メスは銀白色。通常、メスの方が大きいペアが多いので、このように同じくらいの大きさのペアは、むしろ珍しい。ダイナミックに産卵床を掘って行くメス。オスは時々、メスの上を乗り越えて反対側へ移動したりして、産卵を促す。

00:00〜 定位するイトウ(上半身→全身)
00:24〜 顔のアップ→体→尾ビレ
00:52〜 産卵行動(産卵床を掘るメスと産卵をうながす婚姻色のオス)
01:14〜 産卵河川の情景(湿原の川の源流部)

Copyright©2001 Tetsu Taguchi. All rights reserved.  / Copyright©2001 株式会社デジラタ . All rights reserved.