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サクラマス

サケ科サケ属
学名:Oncorhynchus masou masou
分布:東北〜北海道の日本海側。千葉県以北の太平洋側。国外では、アムール川地方、カムチャッカ半島、朝鮮半島東北部の河川に産卵のため遡上する。

【解説】
北太平洋のアジア側にのみ分布する。東北、北海道の日本海側に多く、ヤマメのオスの大部分とメスの一部が降海して大型のサクラマスとなる。ヤマメ(幼魚)には、パーマークと呼ばれる小判型の斑紋が7〜10個並ぶが、海へ出ると消失して銀白色の姿となり、背部と尾ビレに小黒点が散在する以外はサケやベニザケに似た姿となる。
河川に遡上したサクラマスのオスは、メスに比べてかなり少ないので、川に残留して成熟したヤマメのオスが産卵行動に参加することも多い。
サクラマスは美味な魚であるが、川で過ごす期間が4か月と長きにわたる。そのため、サケに比べて増養殖が難しいので、天然産卵する河川を保護河川に指定するなどして保護をしてきた。道東の斜里川等のように近年になって放流事業が成功して資源が回復して来た河川もあるが、他の河川では年々減少する傾向にある。サクラマスはサケやカラフトマスと違って、大きな河川の水系を最大限に利用し、分散して生活するので、サクラマスの生息状況はその川の自然度のバロメーターでもある。

【映像のサマリー】
雪解けの増水が始まり北国に桜の咲く季節になると、海で一冬を過ごしたヤマメがサクラマスとなって生まれた川に戻ってくる。川に遡上したばかりのサクラマスは、まだ海で生活していた姿に近く、銀白色で精悍な姿である。
しばらく河口近くのタマリで淡水に体を慣らしたサクラマスは、ひと雨降るたびに上流を目指す。大きな滝が行く手を阻んでも、その抜群のジャンプ力で乗り越え、川の源流部の細流にまで進入する。
雨が少ないと滝つぼ等に潜んで次の増水を待つ。北海道・道東の河川では、8月の御盆の頃に産卵のピークを迎えるが、分布の中心である日本海側では、9月中旬〜下旬が産卵期で、川に入ってから約4か月経過した後である。
魚止めの滝つぼに潜んでいたこのペアは、手前がメスで、後方がオス。サクラマスの名前の由来は、オスの婚姻色からとする説もある。
砂利の中でふ化した卵は、8か月以上も経った翌年の雪解けが終わる頃、砂利のすき間から泳ぎ出る。

00:00〜 海洋生活型(銀毛)
00:24〜 滝のジャンプ
00:31〜 滝の下にひしめきあう群
00:58〜 滝つぼに潜む婚姻色のペア
01:09〜 サクラマス卵のふ化(仔魚)

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