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サケ(シロザケ)

サケ科サケ属
学名:Oncorhynchus keta
分布:日本海、オホーツク海、ベーリング海、北太平洋全域。

【解説】
川で生まれたサケは、海へ出て成長し、また産卵のために川へ帰ってくる遡河回遊魚である。
遠く外洋を旅して戻ってくることができる能力については、海では太陽の位置で方位を知るという太陽コンパス能を、川口では生まれた川の臭いを覚えているという能力を行使するといわれている。サケがGPS並みの精度で行動できることは確かである。海へ出た稚魚は、塩水に体を慣らすため、しばらくはタイドプールなどの沿岸に留まるが、やがて遠く外洋へ出て行き、4年目の夏〜冬に故郷の川に帰ってくる。
ふ化放流事業の成功によって安定した漁獲があり、食卓にもなじみのある魚である。ブナが出たものは卵や白子に栄養を取られて次第に味が落ちてしまうので、食卓へ上るサケは北洋や海の定置網で漁獲されたものである。サケの利用は縄文時代にさかのぼるが、塩蔵品の新巻サケをはじめ、石狩鍋や薫製(トバ)等で有名である。水戸藩では江戸時代の古文書に200種類ものサケの調理法が記されており、当時庶民の生活になくてはならないたんぱく源であったことが分かる。

【映像のサマリー】
サケは、子孫を残すため、その超能力によって生まれた川に帰ってくるというロマンがある。
生まれた川に帰って来た遡上群。河口近くなので、まだ体が銀白色に近い海洋生活型の個体も混じる。河口近くで透明度の良い川というものは非常に少ない。唯一、自然の残されたごく一部の川でのみ、この遡上の状況を水中から観察できる。
生まれた川に戻ってきたサケたちはやがて、上流の産卵場所にたどりつき、メスが産卵床を掘りはじめる頃には、メス・オス共に、ブナと呼ばれる婚姻色に染まる。メスは川底の臭いをかぎ、湧水のあるような場所を選んで、尾ビレで穴を掘り産卵する。
オスはこの瞬間に精子をかけるので、白煙が上がる。
両方とも、産卵後に死んでしまう。やがて川底の砂利の中で卵がふ化し、仔魚が生まれる。
砂利の間から泳ぎ出た稚魚は、しばらく川で過ごし、やがて外洋へ旅立つ。

00:00〜 遡上群
00:15〜 海洋生活型(銀毛)も混じる
00:28〜 産卵床のペア(掘るメス、川底の臭いをかぐメス)
00:55〜 産卵の瞬間(白子も見える)
01:02〜 ふ化&仔魚
01:09〜 稚魚1尾
01:13〜 稚魚群

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