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ニッコウイワナ

サケ科イワナ属
学名:Salvelinus leucomaenis pluvius
分布:山梨県及び鳥取県以北の本州。

【解説】
我々が通常イワナと呼ぶ場合は、ニッコウイワナを指すことが多い。生息範囲も広く、アメマス、ヤマトイワナ、ゴギ等のいずれにも近い色彩や斑紋の個体がいる。近年の研究では、これらが同一種であり、遺伝的または環境の違いによる変異と考える説が有力となっている。
典型的なニッコウイワナは、腹部を中心に眼径大の橙黄色の斑点が見られる。婚姻色の出た個体ではこれが顕著となる。例外もあるが、通常は山間部の渓流域に生息し、新潟県奥只見湖(銀山湖)で有名な大イワナのように、ダム湖などに降湖したものはワカサギ等を飽食して巨大化する個体も珍しくない。
最近の渓流釣りの普及で、天然個体は減少してしまったが、人工ふ化、放流は活発に行われるようになり、釣り解禁直前の成魚放流も珍しくない。多くの河川が釣り堀化してしまった現在、各河川特有の個体群を守ることは難しくなってきている。

【映像のサマリー】
天然のイワナは今や幻と言われる時代になった。一部の河川では、産卵期を禁漁期間としたり、禁漁区や人工の産卵床を設けたりと、手厚い保護をしている。イワナ属の仲間は産卵後も死ぬことはなく毎年産卵行動に参加する。
用心深いと言われる保護色のイワナだが、雑木林の間からその産卵行動をそっと覗いてみると、メスが尾ビレを使って大胆に産卵床を掘る様子が観察できる。
産卵する場所は、背ビレが出るような浅い水流のある場所が選ばれるが、メスが大きな尾ビレで掘り進むうちに、深いすり鉢状の窪みとなる。
オスは産卵するメスの腹部に何度も体をすり寄せるようにして小刻みに震え、産卵を促す。そして放卵の一瞬に横に並んで放精する。

00:00〜 産卵行動(上から)
00:19〜 産卵行動(水中)
01:06〜 産卵床のペア(掘るメスと産卵を促すオス)

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