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5月30日からはプレワールドカップと称される「FIFAコンフェデレーションズカップ 2001 KOREA/JAPAN」、来年にはワールドカップ本番もあります。アジアでは、常に優勢な試合運びができる日本ですが、全世界のトップクラスが相手では、そうはうまくはいきません。当たりの激しさ、プレッシャーのきつさ、スピード、ボール回しの速さ、そしてチャンスのとらえかた、いずれをとっても強敵揃いです。  

当然、全体的に押され気味の展開を強いられることになります。そうなると、日本選手の技術、組織的な動きとスピードが発揮できませんし、アジア相手に見せてくれた創造性あるプレーができません。世界で通用するプレーをするためには、高いレベルの環境、つまり海外リーグに身を置く日本選手がもっと増えなければならないのです。

今年の3月25日にアウェイで対戦した世界のトップ、フランス代表との一戦では、これまで築いてきたものが一気に崩れたような惨敗を喫しました。4月25日のアウェイでのスペイン戦では、明らかに得点を奪われないことを最優先にした戦いぶりでした。しかし、相手に得点を与えないことを考えているばかりでは、勝つことや引き分けることはできません(アウェイでの競合相手の引き分け(リーグ戦ならば勝ち点1ポイントの獲得)は「勝ちに等しい」とまで言われる重要な結果です)。

では、どうすれば勝てるのか。サッカーは、いくら押されっぱなしでも、前半・後半にそれぞれ最低3回は、大きなチャンスがあるものなのです。その3回のチャンスをどう生かすか。代表選手たちには、その少ないチャンスが訪れた時、それを見逃さない視野と頭脳と読みを持って欲しいと思います。もちろん、そのチャンスをゴールに結びつける技術とメンタルも。

日本の選手は、技術も基本能力も備えているはずなのです。ただ場数と経験が不足しているだけなのです。そのために強いプレッシャーに受けると、ビビってしまって、本来の能力を発揮できなくなるのです。中田英寿はイタリアのトップ・リーグ「セリエA」で3年ももまれて、逞しくなりました。自らを高いレベルに身を投じていかないと、そんな逞しさは身に付かないのですが、今ごろそんなことを言っても始まりません。

稲本潤一(ガンバ大阪)、中村俊輔(横浜F・マリノス)、中田浩二(鹿島アントラーズ)などには、今すぐにでも海外のトップクラスが集まるチームに挑戦して欲しいと思います。彼らぐらいの年齢であれば、1年間でもかなりのことを吸収できますし、体も大きくなるはずです。

あとは戦う気持ちです。フットボールは戦争、肉弾戦ですから、戦う強い気持ちがなければ、プレッシャーに負けてしまいますし、チームの仲間の信頼も得られません。セリエAに挑戦した名波浩、スペインリーグでプレーしている西澤明訓も、ある意味、そういった気持ちが不足していたために、技術が高くても、試合では使ってもらえなかったのです。

ジェフ市原から構想外になってしまった廣山望は、現在ではパラグアイで活躍していますし、リベルタドーレス杯にも出場して、スーパーサブとして、かなり活躍してくれているようです。戦う気持ちの強い人は、高いレベルの中でも結果を出せるわけです。

来年のワールドカップで、日本がどこまで勝ち上がることができるかは大問題です。なにしろ、日本は開催国です。これまでの長いサッカーの歴史の中で、開催国がグループ・リーグで敗退した例は皆無です。世界中に対して、たいへんな恥をさらすことになります。
サッカーごときで、そんな大袈裟な、とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、本当なのです。それが世界におけるサッカーの存在なのです。ですから、恥をかかないためにも、世界の高いレベルのサッカーの中でもまれて、結果を出せる選手が1人でも多くなることを願っています。
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