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「FIFAコンフェデレーションズカップ2001 KOREA/JAPAN」では、日本がこれまでのチームづくりの成果を全世界へアピールしてくれました。カナダ、カメルーン、ブラジルと同組になったグループリーグ戦を、2勝1引き分けの無敗で、1位で通過したのですから、これは見事と言うほかありません。試合内容の方も、特にカメルーン戦は、相手のコンデョションが十分ではなかったとはいえ、ほぼベストメンバーのカメルーンを相手に、これまでで最高のパフォーマンスと思える試合ぶりで、私も少し驚いたほどでした。

サッカーの世界大会は、基本的に、まずグループリーグ戦を行い、それぞれのグループの1位と2位のチームが次のラウンド(決勝トーナメント)に進みます。グループリーグ戦の順位は、「勝点」で争われます。勝利すると3ポイント、引き分けは1ポイントです。もちろん、負けは0ポイントですから、グループリーグ戦での敗戦は、どうしても避けたいのが当然です。つまり、どんなに相手が強敵でも、最低1ポイントの勝点を獲得する(=引き分けに持ち込む)のが、世界のごく当然の戦略です。

さらにまた、勝点が同数の場合は、「得失点差」によって順位が決められます。得失点差というのは、相手から奪った得点(ゴール数)の合計から、奪われた得点(ゴールされた数)の合計を差し引きしたものです。日本のグループリーグにおける得失点差は、カナダに3-0、カメルーンに2-0、ブラジルに0-0ですから、「+5」ということになります。この得失点差を睨みながら戦うことも、グループリーグ戦においては非常に重要なのです。奪える時にはできるだけ得点(ゴール)を奪う、無用な失点は与えない(相手にゴールは許さない)というのが、鉄則なのです。

こうしてみると、今回の日本は、まさに100点満点に近いグループリーグの戦い方を見せてくれたといってもよいでしょう。

来年のワールドカップも、今回のコンフェデレーションズカップと同様、4チームによるグループリーグ戦があります。グループリーグ戦の3試合をどのようにして勝ち抜いて決勝トーナメントに進むか。開催国である韓国と日本には、ホスト国の「義務」として、それが求められているのです。

今回のコンフェデレーションズカップでは素晴らしい勝ち抜きを見せて世界にアピールすることができた日本には、来年のワールドカップへの期待も膨らみます。しかし、ワールドカップはそうやすやすとは行きません。コンフェデレーションズカップは各大陸チャンピオンによる国際大会(世界大会)ではありますが、出場した各国はもちろん、できる限りのベストメンバーを揃えて真剣勝負に挑んではきますが、既にお気づきの方々もおいでのように、メンバー構成も、チームづくりも、各国でバラツキもあり、全てにおいて100%の状態で韓国・日本に乗り込んできたとは言えません。

来年のワールドカップは、今回とは比較にならないほど、厳しい戦いになることは明らかです。だからこそ、今回は最低でも、グループリーグ戦を勝ち抜いて欲しかったのです。そして、世界のサッカーシーンでは残念ながら弱小の立場であるアジアで初めて開催されるワールドカップを、韓国と日本が開催することが決して間違いではなかったことを、全世界へ証明して欲しかったのです。

そんな全国のファンの思いが、日本のグループ1位での勝ち抜きをもたらしたのだと思っています。
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