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イタリアでリーグチャンピオンになった中田

ヨーロッパ各国のリーグ戦は、秋に始まり、夏に終わります。
イタリア・リーグ「セリエA」も、6月17日に最終戦を迎えました。中田英寿が所属するローマは、最終戦までに優勝を決めることができず、最終戦のホームでのパルマ戦に勝利することが必要になったのです。以前紹介したように、これは悪いパターン。最終戦に優勝がもつれると、ドンデン返しが待っているケースが多いのが「セリエA」だったのですが、ご存じのようにローマは大観衆の後押しもあって終止パルマを圧倒し、18年ぶりという優勝を成し遂げました。その中に、ジャポネーゼ(日本人)NAKATAの姿がありました。素晴らしい快挙です。

確かに、今シーズンの中田が出場機会に恵まれませんでした。せっかくの優勝も、本人は十分満足ではないようです。しかし、リーグ終盤での大活躍は、ローマの人々からも大きな喝采が送られています。イタリアの辛口の各メディアが行ったシーズンを通じた選手の評価でも、中田はコンスタントに出場できなかったにもかかわらず、主力級の評価(10点満点での点数評価)が与えられています。イタリアのリーグチャンピオンチームに中田がいる…そんな歴史的な出来事をリアルタイムに体験できたことを、とても嬉しく思います。

さあ、1つのシーズンの終わりは、次のシーズンの始まりでもあります。より多くの出場機会を求めて、中田はローマに別れを告げ、パルマへの移籍が決まりました。ローマの人々には、中田がローマに残ることを希望する声が数多くあったそうです。でも、私はローマのサッカーが中田にフィットしているとは最初から思いませんでしたので(=中田の実力云々ではなく、ローマのサッカーが元々そういうサッカーなので)、中田の決断は大賛成です。パルマは、イタリアで、ユベントス、ACミラン、インテル、ローマ、ラツィオ、フィオレンティーナとともに「ビッグセブン」と呼ばれるチームです。私も、中田がイタリアに渡った時から、「ビッグセブン」の中で最も中田がフィットするチームではないかと思っていたのが、パルマです。

1998年7月、日本のJリーグのベルマーレ平塚(現・湘南ベルマーレ)からイタリアのペルージャに移籍した時の移籍金が約4億円だったと聞いています。2000年1月にペルージャからローマへ移籍した時の移籍金が約18億円(移籍金にプラスして4選手がローマからペルージャへ移籍したので、実際の評価額は約28億円と言われています。)、そして今回のパルマへの移籍金が約32億円と言います。イタリア国内にとどまらずヨーロッパ中を舞台に騒がれ注目された今回の移籍を経て、中田のさらなる飛躍を期待したいと思います。

もう1人のリーグチャンピオン、廣山

海外でリーグチャンピオンになったのは、中田だけではありません。Jリーグのジェフ市原からパラグアイのセロ・ポルテーニョに「レンタル移籍」していた廣山望は、パラグアイの前期リーグ(パラグアイのリーグは、日本と似ていて、前期リーグと後期リーグの2期制で争われます)で優勝を成し遂げました。能力がありながら、ここ数年あまり活躍できなかった自分を見つめ、南米パラグアイに挑戦の場を求めて飛び込んでいった廣山の勇気に、大きな拍手を送りたいと思います。

ところで、「レンタル移籍」という言葉について少し説明をしましょう。レンタル移籍は、いわば期間限定の移籍を言います。廣山は、セロ・ポルテーニョに今月7月一杯までの契約による移籍でした。つまり、一時的にセロ・ポルテーニョ所属となっただけで、最終的には廣山は、今でもジェフ市原所属ということになります。ですから、レンタル期間が終わればジェフ市原に戻ることになりますし、他のチームから移籍のオファーがあっても、ジェフ市原が交渉権を持つわけです。

スペインのエスパニョールに移籍していた西澤明訓もレンタル移籍でした。西澤は今、レンタル移籍期間を終了して、元の所属であるセレッソ大阪に戻っています。イタリアのベネツィアに1年間所属し、ジュビロ磐田に戻っている名波浩も、スペインのバリャドリッドに半年間所属し、横浜F・マリノスに戻っている城彰二も、レンタル移籍でした。それに対して、中田の場合は「完全移籍」でイタリアへ渡りました。レンタル移籍と完全移籍とでは、移籍の重みが違ってくるわけです。

さて、廣山は今後も海外クラブチームでのプレーすることを望んでいるようです。ジェフ市原に戻って欲しいという動きもあるようですが、ジェフ市原はJリーグで好調なようですし、もっともっと海外で活躍する廣山を観たい気がしますが、皆さんはいかがでしょうか。

日本から選手が海外に出て行ってしまったら、国内のJリーグが盛り上がらなくなってしまうという声があることも知っています。でも、いつまでも同じスター選手に話題が集まるのではなく、どんどん新しいスター選手が現れてくるようにならなければ、本当の盛り上がりにはならないと思うのです。
地球規模で競い合うサッカーは、海外で活躍する選手が増えることによって日本代表の地力もアップし、日本国内では次々とフレッシュな有望な選手が出現してくる…そうでなければ、強敵揃いの世界の国々と戦っていくことはできないのだと思います。今後もどんどん「ワールドサッカー」の舞台で日本選手の活躍や話題を取り上げることができることを、私は期待したいと思います。
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