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2002年に韓国・日本で開催されるワールドカップの出場権を得るための地区予選が、全世界で進行中です。

ワールドカップ本大会の出場枠は32です。そのうち、前回大会優勝国(=フランス)と開催国(=韓国・日本)には予選勝ち抜きが免除されますから、実質29の枠をめぐって、国際連合やIOC(国際オリンピック委員会)に加盟・登録されているよりも多い国々が、熾烈な戦いを繰り広げるわけです。その熾烈さは、本大会よりも厳しいと言われます。「戦争みたいなもの」とよく言われます。日本代表の名波浩(ジュビロ磐田)も、昨年10月のアジア・カップのファイナル(決勝戦)で苦しい試合の末に優勝を果たした直後のインタビューで、「これからも、ワールドカップ予選とか、こういう戦争みたいな戦いがあるんで…」と言っていました。それくらい、世界中のどの国も、ワールドカップ本大会に出場したいのです。

ワールドカップ予選は、1ヶ所に集まって一気に決めてしまうのではなく、各地域・各地区ごとに、サッカーの基本であるホーム&アウェイで行います。また、長い期間をかけて、各国リーグ戦の合間をぬって試合を消化していきますので、本当に長丁場です。その国の底力、地力、層の厚さがモロに出てくる勝負と言えるでしょう。

それにしても、8月15日の南米予選、エクアドルVSアルゼンチン(2-0でアルゼンチンの勝利)での、アルゼンチンのファン・セバスチャン・ベーロン(先日イタリア/ラツィオからイングランド/マンチェスター・ユナイテッドに移籍したばかり)のシュートには驚きました。約30メートルくらいあったでしょうか。凄いスピードで、しかもギューン、ストンッとボールが急激に落ちたのです。エクアドルのGK(ゴール・キーパー)は、そんな長い距離のシュートですから反応くらいはできるはずなのに、一歩も動けませんでした。私はTVで何気に見ていて、「ウワァッ」と思わず声が出ました。

南米予選は、この勝利によって、アルゼンチンの予選突破が決定しました。南米を代表する国と言えば、誰でもブラジルとアルゼンチンを挙げると思いますが、アルゼンチンとは対照的に、ブラジルは非常に苦しい戦いを続けています。南米予選は、全10ヶ国が総当りのリーグ戦を行い、上位4ヶ国がまず出場権を得ます。そして5位の国は、オセアニア代表(=オーストラリア)のプレーオフによって、出場権を得なくてはなりません。現在ブラジルは4位です。まさかブラジルが出場権を逃すことはありえませんが、もしも、もしも、万が一、5位になったら、オーストラリアとのプレーオフに出場しなくはならなくなります。そうなると、もう、超超・超ど級の死に物狂いのブラジルが見られることは間違いないので、5位になってくれちゃうのも嬉しいかなあ…などと、不謹慎な期待をしてしまったり。ブラジル・ファンの方がいらしたら、申し訳ありません。でも、そんなブラジルは一生に一度くらいしか見られないかもしれないですよね。そんなブラジルが見られるなら、まさかブラジルまでは行けませんけど、オーストラリアのホームゲームなら、シドニーでも、どこでも、行ってみたいです。

さて、ヨーロッパは全50ヶ国が9つのグループに分かれて予選が開催されています。各グループの1位がまず出場権を獲得し、各グループ2位の9ヶ国は抽選を行って、1ヶ国が(韓国と日本を除いた)アジア予選の3位とプレーオフを、残りの8ヶ国が4つの対戦カードのプレーオフを行い、各勝者が出場権を得ることができます。
そのヨーロッパ予選で、誰でも知っているサッカーの強豪国であるオランダとイングランドが、予選敗退の危機に直面しています。特にグループ2のオランダは、超危機状態です。何しろ、2位にすら入れない可能性が非常に高いのです。私も、オランダもイングランドも、来年間近で見たいです。ぜひ奇跡の巻き返しを期待したいのですが。
ヨーロッパ予選の次の試合開催日は、9月1日と9月5日です。この両日に、両国の命運がかかっていると言えるでしょう。オランダは、9月1日にアイルランド(=現在グループ首位。2位はポルトガル)とアウェイ(アイルランドのホーム)で対戦します。グループ9のイングランドは、9月1日にドイツ(=現在グループ首位)とアウェイ(ドイツのホーム)で対戦します。そして両国とも9月5日にも試合があります。またまた、日本時間の早朝(未明)の試合になるので、私も眠い目をこすりながら、観戦することになるでしょう。

オランダのグループ2について、オランダも見たいですけど、ポルトガルも来年是非見たいということを、付け加えます。でも、アイルランドは見なくていい、というわけでもありません。

そしてアジア予選の行方も注目されます。今回のアジア予選では、まだワールドカップに出場したことがない中国が出場権を獲得するのかどうか、気になります。もちろん、アジア代表の常連であるサウジアラビアや、中東の強豪国、イラン、イラク等の動向(クウェートは、何と、一次予選で敗退してしまいました)も気になります。

2002年のワールドカップは、開催国として予選免除されている日本ですが、2006年のワールドカップ(ドイツ大会)では、当然、厳しいアジア予選に挑まないわけです。おそらく、1998年フランス大会時のアジア予選と同じような、非常に苦しい戦いになるでしょう。苦しい戦いの末にドラマティックな幸せな結末が訪れればいいのですが、「ドーハの悲劇」の再来だって、ありうるわけです。だからこそ、今回のアジア予選の行方は、関心を持たざるをえないのです。

日本代表の本当の勝負・試練は、来年のワールドカップ本大会ではなく、2006年ドイツ大会のアジア予選なのかもしれませんよ。
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