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「ワールドカップ・イヤー」のJリーグの開幕が近づいてきました。3月2日の開幕から、J1は4月20日の、J2は5月12日のワールドカップによる中断まで、選手たちにとっては、ワールドカップ前のたいへん重要なJリーグです。どのチームが好調な滑り出しを見せるのか、どのチームがスタジアムに多くの観客を集めるのか、皆さんが注目する選手の活躍ぶりはどうなのか、ここで急激に成長を遂げてワールドカップ・メンバーに入る選手はいるのか、楽しみ方はいろいろありますね。


世界的に見て、日本の選手層が最も充実していると言われる中盤(ミッドフィルダー;MF)に注目してみるのも、ワールドカップを目前に控えた楽しみ方のひとつかもしれません。Jリーグの試合を通して、日本代表の中盤をあれこれ連想したり頭の中に描いたりすることもできそうです。それは、ひいては、ワールドカップでの日本代表の戦いぶりを占うことにもなるかも。


一言で「中盤」と言っても、フォワード(FW)のすぐ後ろで、相手ゴール近くを主な仕事場とする選手もいれば、ディフェンスライン(DF)の前、いわゆる「中盤の底」を主な仕事場とする選手もいます。また、左右のアウトサイド(外側)を主な仕事場とする選手もいます(ただし、あくまでも「主な仕事場」ですよ。その場所にじっとしているわけではありませんし、機を見て、あるいは流れに応じて、自在に動き回らなくてはならないのですから)。とにかく、一言で中盤の選手と言っても、かなり多種多様なのです。もしJリーグの試合を観戦することがあったら、そんな中盤に着目してみるのも、面白いのではないでしょうか。チームによって、中盤の構成の仕方も随分違っています。それを観察したり、対戦相手との中盤の攻防・せめぎあい・中盤の戦況を観察するのも、面白いものです(中盤を優位に戦えるとは、ボール支配率を上げることにもつながるのですから、重要なポイントのひとつです。もちろん、ボール支配率が高いチームが勝つとは限りませんが、試合運びに余裕を持てることにはつながりますから)。


主な中盤の構成を、いくつかお話ししておきましょう。

日本代表と同じ「3-5-2」というシステムを採用していた場合、中盤の選手は5人になります。この場合、5人のうち2人は、いわゆる「ウイングバック」と呼ばれ、左右1人ずつアウトサイドに位置することになります。残りの3人の並び方(構成の仕方)が、チームによって、いろいろなのです。


まず、1人が「トップ下」と呼ばれる、フォワードのすぐ後ろに位置し、残り2人が、ディフェンスラインの前、しばしば「ボランチ」(ポルトガル語で「舵取り」の意味。ちなみにイタリアでは、「ボランチ」という呼び方はしません。が、同じような意味が込められていると思われる「レジスタ(監督)」という呼び方があります)と言われますが、ここに並ぶことがあります。あるいは、「トップ下」は置かないで、フォワードとディフェンスラインの間に、3人が横1列に並ぶような形をとる場合もあります。この場合は、3人(3本の矢または槍)のうち誰かが臨機応変に、前線へ突き出ていくイメージになるわけですね。あるいはまた、「トップ下」に2人を置く場合もあります。この場合は、往々にして、フォワードは2人(ツートップ)ではなく1人(ワントップ)の場合が多いように思われます。また、この場合は、「1トップ」の下の2人は、「トップ下」というよりも、より一層ゴールを狙うストライカー(ゴールゲッターまたはポイントゲッター)役としての意図が強い場合があり、その場合は「シャドーストライカー」と呼ぶこともあります。つまり、「1トップ・2シャドー」と言ったりするわけです。


少し異なるパターンでは、左右の「ウイングバック」が、フォワードに近い高さに位置取りをすることもあります。非常に攻撃的ですね。小野伸二の所属するオランダ・フェイエノールトのシステムに近いかもしれません。フェイエノールトの場合は、フォワードが1人(ワントップ)で、この上がり目の左右ウイングバックを含めて3トップ(フォワード3人)として見る専門家もいるようです。


「3-5-2」と同じく現代フットボールにおいて主流である「4-4-2」というシステムの場合の、中盤の構成についても見てみましょう。「4-4-2」ですから、中盤の選手は4人です。まず、1人が「トップ下」に位置し、1人が「ボランチ」に(ワンボランチ)、残る2人がサイドに開いた(サイドハーフ)形があります。上から見ると、菱形(ダイヤモンド形)のような形です。あるいは、2人が前より(フォワード寄り)に位置し、残る2人がボランチに位置する場合もあります。これは、上から見ると、スクエア形に見えます。この場合でも、ボランチ(後ろ目)の2人が、基本的に横に並ぶ形もあれば、前後に並ぶ形もあります。また、前よりの2人も、もっとワイドに外側へ(アウトサイドへ)開いて、逆・台形(上底の方が長い台形)の形になる場合もあります。あるいはまた、1人が「トップ下」で、3人がやや後ろ目(引き気味)で横1列に並ぶ場合もあります。



「3-5-2」でもフォワードが1トップの変形があったように、「4-4-2」でもフォワードを1トップにして、そのすぐ下(「トップ下」よりも前。)に2人を配する形もあります。「1トップ・2シャドー」ですね。前回ワールドカップ・チャンピオンのフランス代表は、この形のように思われます。



いかがですか? 中盤の構成の仕方だけとっても、実にいろいろなパターンがありますね。もちろん、ここに書いたものだけではないかもしれませんよ。チームの戦術や、試合の状況に応じて、多様に変化することも大いにありえます。皆さんの目で、ぜひ観察してみてください。



フットボール(サッカー)のシステムは、それだけで議論が尽きない、たいへん面白いものです。もちろん、システムだけですべてが決まってしまうわけではありませんが、実際にプレーする選手ではない、試合を観戦する私たちにとっては、たいへん面白いテーマなわけです。比較的最近サッカーファンになった方々の中にも、システムの議論にハマッてしまっている人が大勢います。システムの議論は、日本人の性分に合っているのかもしれません。システムは「形があって形がない」もの。システムにとらわれてばかりいるチームは、勝てないし、良いパフォーマンスもできません。選手たちだって、そうです。でも、システムも存在しなくては、フットボールにならないというのも事実なのです。そんな複雑怪奇な? それとも、わかりやすい? 何だか奥が深そうな? フットボールのシステムについても、面白がってみてはいかがでしょう。ほんと、ハマリますよ。


toto(サッカーくじ)買ったことあります?

私は、昨年は一応、1等から3等まで当てたことがあるのですが、私が1等を当てた時は、あまり配当が多くありませんでした。1等アゲインを目指して、今年も毎週買うことにしましょう。
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