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さあ、いよいよ5月31日に、日本と韓国が共同開催する世紀のイベント「ワールドカップ」が開催します。日本国内での第1戦は、6月1日の15:30に新潟スタジアムでキックオフされるアイルランドVSカメルーンです(6月1日には20:30から札幌ドームでドイツVSサウジアラビアも行われます)。

私がサッカーに慣れ親しんでいるからいうわけではなく、ワールドカップは本当に、オリンピックよりもさらに大きな地球規模のイベントなのです。実はそのことは、日本では長らく知られていなかったことでした。近年になってようやく、それが紹介されるようになってきましたが、日本全体からしてみると、まだまだ認識は不十分でしょう。

どこが優勝するのだろうとか、日本はどこまで勝ち進んでくれるのだろうとか、どんな素晴らしいプレーが見られるのだろうとか、どんな創造的なチームが出現してくれるのだろうとか、そういう興味はもちろんあります。
しかし今回、私たちはホスト国なのです。全地球のあちこちから、さまざまな国・民族の方々がやってきます。それは、5月31日の開幕から6月30日のファイナル(決勝戦)の期間だけでなく、5月中旬からはすでに各国チームはキャンプを張りますので、もう本当に間もなく、数え切れないほどの海外からのお客様たちが日本(と韓国)を訪れるのです。そのお客様を、どうもてなすのか…長年言われ続けてきたけれども成長したとも思えない「日本の国際感覚」が問われる時なのだと、私は思います。

しかもワールドカップは、オリンピックのように、特定の地域だけで開催されるものではありません。日本国内に限っても10会場で試合が行われます。
また、その10会場の周辺の皆さんだけが、海外からのお客様に接するわけではないのです。10会場とは遠く離れた日本全国各地で、各国チームがキャンプを張ります。その地域の皆さんも、当然、海外からのお客様と接することになります。
さらにまた、ワールドカップの試合は、一定の会場に腰を落ち着けて試合が行われるスタイルではありません。毎試合ごとに、日本各地を移動・転戦するのです。ですから、試合が行われる10会場でもキャンプ地でもない地域の皆さんも、日本全国が、海外からのお客様と接する機会に遭遇するわけです。
お客様は、選手や関係者やサポーターや一般観戦者ばかりではありません。メディアやプレスも大挙やってきます。さらには、各国のVIPが突然来日する可能性も、低くありません。こんなスタイルの地球規模のイベントを迎えた経験は、日本は初めてです。

巷では、すぐに「経済効果」を期待する声があがります。そんな分散型・移動型のイベントの経済効果を算出した経験のない関係者の中には、「1ヶ所への滞在期間はわずかになるので経済効果は期待したほど大きくない」などというコメントを出す向きもあります。私には、非常に狭い視野に思えて仕方ありません。キャンプ候補地として立候補した全国の自治体の的外れな招致活動も、そんなことの現れの1つではないでしょうか。キャンプを張る国・チームは、まったく洒落の効かない、全世界が凌ぎを削るガチンコの勝負のために、日本を訪れるのです。そんな彼らにとって何が最も重要なことか日本の自治体は理解できていない、との指摘もありました。

正直いって私には、日本がワールドカップ開催国になるのは早過ぎたのではないか、という思いも、少なからずあります。でも、もうそんなことは言ってられません。ワールドカップにさほど関心がない方々も、サッカーがあまりお好きでない方々も、世界中でオリンピック以上に歴史上語り継がれていく日本でのワールドカップ開催を、ぜひとも成功させませんか。

何しろ、私たち1人1人が国際感覚を育む絶好のチャンスなのですから。そして、日本の国際感覚が問われる1ヶ月半なのですから。

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