スポーツNPOフォーラム in 津山 2004
「パネルディスカッション:スポーツNPOが拓く事業とは」より

NPOと賛助会員企業とのかかわり・NPOの活動資金確保のための
収益事業について (要旨): 竹内 好


 まず、なぜ遠方から賛助会員をしているのか? ということに触れたいと思います。企業のスポンサードの有り様というのは何かという感覚が、その背景にあります。 NPOは現代社会において「第三のエンジン」と言われます。現代は、住民自らが参加して推進していく時代です。急に「NPOの会員なので社会貢献を…」とか「NPOの事業担当を…」などと言われてとまどっている方も少なくないかもしれませんが、今はそういう時代であり、だからこそ面白い時代だと思うのです。であれば、故郷の津山で、またOBでもあるプレチャスに関わっていきたいと考えるわけです。
 
もう1つ、企業側の視点があります。これまでスポンサーと言えば、広告宣伝の一貫で企業のブランド名を広めることを目的とするものでした。でも、そうした日本の企業のスポーツやクラブに対する要求・利用の仕方というのは、あまりに視野の狭いものではなかったでしょうか。今日のスポンサーというのは、財政の賛助だけでなく、企業の持つワザや人脈を提供させていただくことだと思うのです。
 プレチャスと賛助会員企業は互いのパートナーとして、「コラボレーション」「協働」していく…これこそが、NPOと賛助会員企業との今日的在り方だと考えるのです。 実は「コラボレーション」というのは、IT時代などでも言われる現代社会の重要なファクターなのです。企業にとっても、社会との連携を図ることもできる等、非常にプラスになることです。 NPOを考えること、NPOへの賛助会員としての活動を考えること、それは現在社会の仕組みと、その中で生きていく私たちの歩き方・考え方を語ることでもあると思うのです。

 
収益事業は、できることからコツコツと。民間企業ではないのだから、むやみな投資は避ける。「第三のエンジン」というキーワードを思い返して下さい。もっと生活者の視点・住民の視点に立って、「あると便利なもの」「なくてはならないもの」を横軸/縦軸に考えてみてはいかがでしょうか。収益事業のネタはそこかしこに転がっています。それを「落穂拾い」のように摘み上げていきましょう。大きなリスクチャレンジはしません。ですから、気楽にやってみましょう。それこそが一番です。 正会員同士が互いに持っているスキルを出し合い、お互いに声をかけ合ってみましょう。それから、賛助会員企業に、まずは何でも相談してみよう…思いがけないネットワークが広がると思いますよ。
 NPOはボランティアでもなく、体(てい)のいい受注機構でもありません。自ら収益事業の種を蒔き、コツコツと活動資金を創っていく…それがまた楽しみになると思うのです。

(2004年2月29日)