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ジュビロ磐田の優勝が決定した後に残された1st Stageの2試合の興味は、オランダ・フェイエノールトへの移籍(完全移籍)が決まった小野伸二(浦和レッズ)と、イングランド(イギリス)・アーセナルへの移籍(完全移籍)が決まった稲本潤一(ガンバ大阪)が、どんなパフォーマンス(プレーぶり)を見せて旅立って行くのかという点にありました。

小野は、7月14日のホーム(さいたま市浦和駒場スタジアム)最終戦となったジェフ市原戦で、FK(フリーキック)を直接ゴールし、熱狂的なレッズ・サポーターに、これ以上ないメッセージを残しました。チームの方も、小野のホーム最終戦を勝利で飾ろうと、素晴らしい気迫と運動量で、最近非常に好調のジェフを圧倒して3-1の勝利を収めました(おかげで、私のtoto(サッカーくじ)予想は外れてしまいました)。試合終了後のセレモニーは、正直ちょっと大袈裟すぎて、なんだか引退試合のように思えましたが。7月21日のアウェイ(広島ビッグアーチ)でのサンフレッチェ広島戦でもきっちり3-1の勝利を残し、小野はオランダ・ロッテルダムへ旅立ちました。 

フェイエノールトでは、背番号14が用意されていると聞きます。サッカーは11人のスポーツですから、No.1〜11が一応のレギュラー番号とも言えますが、11より大きな数字でも重要な背番号があります。その中でもNo.14は、非常に大きな意味を持つ背番号です。しかも舞台がオランダであるならば、なおさらです。No.14は、私のティーンエイジャー時代のスーパースター、「空とぶオランダ人」ヨハン・クライフが「世界のあこがれの背番号」にした数字なのです。チームからの期待感も感じますし、是非とも素晴らしいパフォーマンスと存在感を見せて欲しいと思います。

稲本は、7月14日のアウェイ(東京スタジアム)でのFC東京戦で、得意とする、中盤低い位置(稲本は基本的に、守備ライン前の中盤=ボランチの選手)から攻撃参加して鮮やかなミドルシュートでゴールをあげました。先日の「キリンカップ」でのユーゴスラビア戦で決めたゴールと似た形でしたが、シュート・コースが実にコントロールされ、わずか2週間でも課題を持って成長を続けている跡がうかがえました。

驚いたのは、試合終了後のことです。稲本にとってアウェイである東京スタジアムの電光掲示板に「Mr.INAMOTO You can do it for the Gunners」(稲本、君はアーセナルでやれる)の文字が浮かび上がったことです(「Gunners」は、アーセナルの呼称)。相手チームであるFC東京のサポーターを含め、スタジアム全体が稲本の旅立ちを祝福し、そして稲本も、ホーム(ガンバ大阪)のサポーターだけでなく、FC東京のサポーターの元まで駆け寄り、きちんと挨拶をしていたのが印象的でした。7月21日のホーム(大阪府・万博記念競技場)最終戦となった鹿島アントラーズ戦でも、ゴールこそあげられませんでしたが、非常に積極的なプレーを見せて、アントラーズに3-1と快勝してイギリス・ロンドンへ旅立ちました。

私は、2002年のワールドカップで日本人選手の中で(中田のように既に世界中で認知されている選手以外で)世界が最も驚くことになる選手は稲本だろう、と以前話したことがあります。それほど、荒削りながらスケールの大きさを持っているのが稲本です。本人も試合後のセレモニーで語っていたように、アーセナルでのレギュラー争いは非常に厳しいですが、初めての海外移籍でその中に果敢に挑んでいく姿勢こそ稲本らしさを感じます。是非、あらゆる面でのスケールアップを遂げていって欲しいと思います。

それにしても、小野と同様、稲本のセレモニーも、やっぱりちょっと大袈裟すぎるなあ、と思いました(もっとも、稲本のセレモニーの方は、大阪らしく?笑いもあったとか)。まあ、それもいいですけどね。熱狂的なファンやサポーターにとっては、大事な大事な時間だと思いますから。

小野や稲本が海外へ移籍して寂しくなるようですが、若くて才能ある選手たちは大勢出て来ています。比較的話題に上ることが少ない選手でも、ガンバ大阪の二川孝広、浦和レッズの田中達也、ジェフ市原の阿部勇樹(U-20日本代表に選出されていましたが、ケガのために先日のワールドユース選手権には出場しませんでした)、大分トリニータの川崎元気(ガンバ大阪へのレンタル移籍が電撃的に決定しました。今日飛び込んで来たばかりのホットニュースです)などにも、私は注目しています。
また、鹿島アントラーズの中田浩二、横浜F・マリノスの中村俊輔の今後の海外移籍の動向にも、注目したいと思います。
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