2002.6.12
  日本、待望の勝ち点3ゲット!…嵐とともに始まったグループリーグ最終戦ウイーク
 

6月6日のA組・フランスVSウルグアイ、7日のF組・イングランドVSアルゼンチン、8日のG組・イタリアVSクロアチアをはじめ、各グループのポイント(勝ち点)争いが凄いことになってます。はっきり言って、メチャクチャ面白い。こんな面白いグループリーグ戦は、長いワールドカップの歴史でも、そうそうお目にかかれないでしょう。(サッカーは1-0とか0-0ばかりで面白くない、という意見が時々聞かれますが、ワールドカップの1-0や0-0の試合って、物凄く面白いでしょ!)


クロアチアがイタリアを逆転で破った試合は、興奮させられました。誰もがイタリアが順当勝ちと思っていたでしょう。ところが、ワールドカップはそう簡単には行かない…クロアチアの見事な逆転劇でした。しかも、この試合のキーパーソンとなったのが、イタリアのマテラッツィとクロアチアのラパイッチ。2人とも中田英寿とともにかつてイタリアのペルージャに所属していたという、ディープなファンにはこたえられない(?)展開となりました。この敗戦で、イタリアも苦しくなりました。イタリアのグループリーグ最終戦は13日、相手は現在グループ首位のメキシコです。

「死のF組」で勝ち抜けが確実視されていたアルゼンチンも、イングランド戦での敗戦で苦しくなりました。最終戦は11日のスウェーデン戦、どうしても勝利が必要になります。

グループリーグ最終戦は、同じグループの試合は同時刻キックオフになります。今週は、次々に各グループの最終戦が行われていくので、リアイルタイムに一喜一憂する、実にスリリングな1週間になりそうです。

…と思っていた矢先、荒れ模様の天候の到来とともに、A組が大激震で終わりました。フランスがよもやの最下位です。最終戦のデンマーク戦はフランス大爆発でグループリーグ突破かと思っていたのですが、完敗。そして、A組2位争いのセネガルVSウルグアイも3-3という大激戦。決勝トーナメント進出を賭けた最後の最後の戦いは、どこも凄いでしょ! 決勝トーナメントも当然凄くなりますが、グループリーグ最終戦も凄い試合の連続になること間違いなしです。


さて、我が日本代表です。本当に胸が苦しくなるような、胃が重くなるような戦いの末に、ロシアに1-0で勝利して、勝ち点を4ポイントに伸ばしました。横浜国際競技場の7万人のサポーターだけでなく、東京・国立競技場のパブリックビューイングにベルギー戦に続いて5万人近くも集まったサポーター、全国各地のパブリックビューイングやスポーツバーに集まった人々、横浜国際競技場の外で声援を送った人々、そして、TVの前で声援を送った皆さんの力が、この勝利をもたらしたものだと思います。近所のあちこちから、歓声、悲鳴、拍手が聞こえてくる…そんな2002年6月9日の日曜日の夜でした。

もちろん、ワールドカップはこれで終わりではありませんし、決勝トーナメント進出が決まったわけでもありません。それに、「たかが1勝」しただけです。でも、30年以上サッカーを見続けてきた者にとって、試合終了を告げるホイッスルが鳴り響いた瞬間から、涙、涙でした。選手たちの頑張りやチームスタッフの尽力はもちろんですが、数え切れないほど多くの関係者やサッカー指導者の方々の長年にわたる地道な努力、そして、サポーターの皆さんの情熱と、応援してくれた日本全国の皆さんの後押し…いろいろな想いが入り交じって涙が溢れてきたのです。サッカーというものは、不思議にも、こんなにも多くの人々の気持ちを1つにするものだということ…そのことは日本人の中にも確実に浸透してきたのではないでしょうか。


ところで、スカパーで観戦しておられない方々には、機会があれば是非、倉敷保雄氏の実況中継で試合をご覧いただきたいと思います。倉敷氏の実況はスカパーでしかご覧になれません。(私は、スカパーの関係者ではありませんよ。)倉敷氏の、フットボールに対する深い造詣と愛情に溢れたその実況ぶりには、また新たに多くのものを感じ取っていただけるものと思います。


日本のグループリーグ最終戦は、14日、15:30キックオフのチュニジア戦です。チュニジアは、日本が苦手とするタイプの1つ、アフリカ特有の個人技とスピードで攻め込んでくるチームです。ましてや、10日のベルギー戦を1-1のドローで終えたチュニジアにも、まだ決勝トーナメント進出の可能性があります。日本にとっては、もう一度、厳しい戦いになるでしょう。後々後悔することのない、感覚を研ぎすました、集中した戦いを見せて欲しいと思います。日本のH組1位突破の報告ができることを期待します。(了)

   
 


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