2002.11.4 【インタビュー】
  日本人選手海外組…それぞれの活躍と今後の課題
  −Part2−
  LADYWEB 今のパルマではどんなポジションなんですか。

KOH先生 今シーズンのパルマは、中盤をダイヤモンド形でもスクエア型でもなく、4人がフラットに並ぶフォーメーションで臨もうとしていました。その中で中田は、左サイドハーフを試されていました。でも、中に中に入ろうとする中田の習性と、ベンチの要求する動きと違っていたり、味方フォワードに前のスペースを消されたりして、居場所がないというか、存在感を示せない状態でした。非常にマズい状態できたね。
その後、変則3トップというか、1トップの下に2人を配置するピラミッド型というか、そのフォーメーションに変更して、中田はトップよりもやや下がり目、中盤よりも前目で、センターではなく右サイドでのプレーを要求されているようです。このフォーメーションになってから、中田は生きるようになりました。
右サイドに置かれたのは、ルーマニア代表のNo.10であるアドリアン・ムトゥが左サイドが好きみたいで、その関係で右サイドに置かれたのではないかと思います。ムトゥは中田よりもさらにトップに近い位置どりをしているようです。だから、1トップ下に中田とムトゥの2人というよりは、ブラジル人のアドリアーノとムトゥの2トップの右下に中田、といった方が正確かもしれません。
ちなみに、ムトゥもルーマニア代表ではトップ下をやっていたように思います。今日のフットボールでは、本来トップ下の選手は、フォワードもしくはセカンド・トップに位置して、よりゴールに直接絡むプレーをするか、1列下がって、中盤の低い位置からプレイメーカーの役割をするか、そのどちらかを要求される場合が多いわけです。前者だと、中田にはそこまでの、ストライカー的なゴール嗅覚があるとは思えない。もちろん、得点能力も高いものがありますが、タイプの問題です。後者では、これまでを見てきても結局あまりフィットしなかった、という感じでしょうか。でも、日本代表ではまた事情が違ってくると思いますけど。
とにかくパルマでは、中田にとって、このマイナーチャンジが効を奏して、スタメンを確保したという感じですね。パルマとしても、中田の攻撃能力は生かしたい、だから模索も続けてきて、ようやく定まりつつあるところでしょうか。
中田はやはり、彼の前にスペースがあると鋭いパフォーマンスを見せてくれます。逆に、前のスペースを消されると、物足らなくなってしまう傾向があるように感じます。今シーズンはここまでセリエAでも2ゴール記録していますし、まあまあの活躍してくれていると思うのですが、もっともっとダイナミックなパフォーマンスを見せてくれることを期待したいです。パルマの10番としての輝きを見せて欲しいです。
パルマの10番って、中田がパルマに移籍する前から私たちの間では「なんか呪われてるよね」みたいなのがあって、アルゼンチンのオルテガっていますよね。今、トルコのフェネルバフチェにいるんですが、オルテガもパルマにいたことがあって10番をつけたんですが、わずか1年で去って行きました。その次は、ブラジルのアモローゾ。随分昔は日本の東京ヴェルディのサテライトに居たんですが、その後イタリアのウディネーゼに行ってセリエAで得点王になったんですよ。で、パルマに移籍して10番をつけて、そこそこ点は取ったんですけど、シーズン途中では、怪我なのか、外されたのか、結構姿をみなかったこともありました。で、アモローゾはドイツのドルトムントに移籍して、昨シーズンはドルトムントのブンデスリーガ(ドイツ・リーグ)の優勝に貢献しました。その次に中田なんです。そんな「呪い」は吹き飛ばして欲しいですね。
パルマのサポーターがいちばん懐かしがっているのが、今マンチェスター・ユナイテッドにいる、アルゼンチンのベロンらしいです。ベロンはまずパルマで成功して、その後ラツィオに行って、ラツィオで優勝したんですよね。それからマンチェスター行きました。そのベロンがいた頃が一番いちばんよかった、ベロンが今まで最高の助っ人だったなどと公然と言っているらしいので、頑張って欲しいです。
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