2003.4.26
  アウェイでの韓国戦を分析してみましょう
 

後半に入ると、日本は山下に替えて奥がin、三都主が2列目からFWの位置に上がり、中山とともに2トップのような形になります。これでバランスはどうかなあと少し心配もしましたし、どうして山下を下げるのか理解できませんでしたが。

後半の立ち上がりは韓国の攻勢が続きますが、危険な感じはしませんでした。おそらく選手たちも、ゴールを奪われる感じはしなかったのではないでしょうか。

日本も決定的なシーンを作ります。右サイドをオーバーラップした名良橋が奥とのワン・ツーで抜けマイナスで折り返し、ペナルティエリア内で全くのフリーで中山が受けます。完全に韓国ディフェンスを崩した場面です。先制点ゲットと思ったのですが、中山はシュートを大きくフカしてしまいます。あれは正直いただけません。この後、中山に替わって永井がinするのですが、私には、この交替はジーコ監督の中山のシュートミスに対する怒りの表れではないかと思うのですが。

これ以外でも、中盤での組織的な守備で相手ボールを奪い、小笠原のドリブルからのスルーパスがあと一歩というシーンもありました。中盤での細かなボール回しから、左サイドをオーバーラップした服部のクロスが三都主に通ったシーンも、日本の見事な攻撃だったと思います。奥がペナルティエリア辺りでボールをキープしてタメを作り、中田浩二が追い越す形でゴールに迫るシーンもありました。

ともあれ、アウェイでの韓国戦で一応勝利という結果が得られたことに、まずは良しとすべきでしょう。


この試合で気がついた点を幾つか挙げてみましょう。

まずは小笠原です。期待どおり、前半のパフォーマンスは実に堂々として見るべきものがありました。後半は少し消えてしまった感がありましたが。Jリーグでも小笠原のプレーは際立っています。是非、海外へ飛び出して、より高いレベルでプレーして欲しいと思うのですが。

気になったのは三都主です。前半では予想外の(?)守備面での貢献を見せてくれましたが、攻撃面では、その持ち味が発揮されませんでした。以前のような鋭さとスピードが不足しているように感じるのですが、いかがでしょうか。

いつも心配しているディフェンスラインは、全体的に安定していたと思います。ただ、左右のサイドにボールを回された場合、相手チームのサイドアタッカー(サイドに張っているウイングの選手)を割と自由にしてしまっているように感じました。観戦している側からすると、余計に左右に振られている印象が残ってしまうかもしれません。

また、押し込まれた印象になってしまうのも、最終ラインの押し上げがなく(それはジーコ監督の指示なのかもしれませんが。)中盤の底の中田浩二と福西の2人も自軍深く引いてしまった感じになり、相手チームに中盤でボールを拾われて回される時間帯があったことも関係していると思います。中盤の底からの大きな展開、ゲームメイクも、もっと見たい気がします。

アジアの国が相手ならば、この日のような戦い方でも凌ぐことができるかもしれませんが、世界の国々と対戦した時、どうでしょうか。この後に予定されている東アジア選手権(横浜で開催)や、アルゼンチン戦(大阪)、そしてフランスで開催されるコンフェデレーションズ・カップで、こうした点がどのように修正され進化していくのかに、注目したいと思います。

では、また。(了)

   
 

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