2003.6.8 【インタビュー】
  面白さはワールドカップ以上!? 欧州チャンピオンズ・リーグ
  LADYWEB 欧州チャンピオンズ・リーグというのは、ヨーロッパではとても盛り上がるイベントなのですか。

KOH先生 ええ、盛り上がりますね。ある意味においては、ワールドカップより盛り上がるんじゃないですかね。動くお金も大きいですから、選手ももちろん一生懸命やるわけです。チャンピオンズ・リーグで活躍すると、またいろいろ移籍の話も来るし。日本人は、小野はチャンピオンズ・リーグの1次リーグ戦には出られましたけど、早々に負けちゃったんで。中田は、まだチャンピオンズ・リーグには出てないんですよね。
ヨーロッパ・カップ戦ということでは、UEFA(ウエファ)カップもありますけど、ぜんぜん格が違うんで。

LADYWEB チャンピオンズ・リーグの方が、はるかに格上ということですか。

KOH先生 ぜんぜん上です。

LADYWEB なぜ、決勝戦は1試合だけだったのでしょうか。

KOH先生 ずっと昔から、ファイナルは中立国での1発勝負です。それがいいんじゃないですか。これはたぶん、ヨーロッパのフットボールネーションでは、ファイナリストっていうことが、やっぱり評価されるんんではないでしょうか。確かに、次のラウンドへの進出者を決めるための最適な方法は、やっぱりホーム&アウェイだと思うんです。けれど、ファイナリストとっていうことで既に名誉ある存在である、だから決勝戦は中立国で1発勝負でいいじゃんってことなのではないでしょうか。
中立国での決勝戦は、既に会場は決まっていますから、そこのホームチームが出ちゃうこともあります。例えば今年だったら、マンチェスター・ユナイテッドがファイナルに進出していれば、ホームゲームになっていたわけで。先シーズン、UEFAカップで、小野のフェイエノールトが優勝した時も、たまたまなんですけど、ファイナルはフェイエノールトのホームだったんですよ。

LADYWEB チャンピオンズ・リーグは決勝トーナメントになってから、放送がある時は、だいたい見ていたんです。FCバルセロナも出ていることですし。

KOH先生 決勝トーナメントに進出するための2次リーグの終わりの方の順位争いも、すごいでしょう。ワールドカップ並みですよね。激しい点の取り合いでね。
やっぱり、レアルとマンチェスター・ユナイテッドの試合が、今シーズンのチャンピオンズ・リーグでのいちばんのハイライトだったと思います。私はどちらもリアルタイムでテレビで見たんですが、とにかくすごい試合で、なんていうんですかね、パスのスピードといい、全員がクリエイティブに動き回る動きといい、トラップがぜんぜんミスがない。サッカーを食わず嫌いする人は、ぜひああいう試合を見てもらいたいですね。残念ながら、Jリーグではできないんで。

LADYWEB トラップは、本当に、まったく違うなってわかりますよね。

KOH先生 いや、もうすごいですね。魔法のように。手で扱ってもあんなにできないってほど。スピードもすごいですね。よく日本人で、サッカーに批判的なことをいう人に、パスゲームだったらバスケットのほうがぜんぜんおもしろいじゃないかっていう人もいるようですが、私もバスケットはよく見ますし、おもしろいんですが、バスケットと比較するようなそういう感覚は全く的外れなんですよ。あれだけの距離を、キュッキュッキュッキュッって、あれほどのスピードで、止まっていたらできないわけです。常に動いていないとできないわけです。その動く場所とタイミング、それを瞬間瞬間で創造し、互いにイメージをシンクロしあうすごさ。タイミングが少しでも狂っちゃうと、ボールを奪われちゃったり、ボールコントロールにミスが出ますよね。それを、ビシッビシッビシッって、魔法のようにつながっていくって、あれは感動ものですよね。
マンチェスターのホームで行われた第2戦も、何しろ第1戦を3-1で落としているわけですから、マンチェスター・ユナイテッドはどうしたって不利なわけです。でも、ホームで、たくさんのサポーターの前で、最後まで可能性がある以上はチャレンジするっていう素晴らしいスピリットを見せますよね。こういう部分も、まだ日本の選手には不足しているところだと思うんですね。常に先行を許しながら、最後は逆転の4-3という、凄い試合になりました。
この試合でのレアルの1点目がまたすごくてね、ジダンのものすごいグラウンダーの高速クロスに、正直スキルが少し落ちるかなと思っていたグティがちゃんとダイレクトでスルーパスをはたいて、で、ロナウドにあんなところから決められたらお手上げだよねっていう、そんな驚愕のゴールでした。
そんなスーパーゴールで先制されて、その後せっかく同点に追い付いたのに、さらに1点取られちゃうわけです。それでもまた同点に追い付いて、でもまた追加点を奪われてしまう。2試合で合計6点も奪われたわけです。もう諦めちゃうじゃないですか。でもそのへんが日本のチームにないところですかね、さらにその後、もう一度追い付いて、さらに逆転しちゃうわけでしょ。あのへんのスピリットは、どうもまだ日本人にはないですね。アジアでも、例えばワールドカップ予選とかで、中東のチームには結構あるんですよ。例えば、サウジアラビアなんかは、守備力はわりとあるけど得点力はそんなにないチームのはずなんですが、リーグ戦の最終戦で得失点差がからむような状況になると、3-3とか4-3という点の取り合いをしてみせるわけです。そういうところが日本はね。守備のリスクを承知で点を取りに行くんだっていうのが、なかなかふんぎりがつかないし、実際それだけ点を取れるかといった時に、そういう試合ができるかっていうと、正直できそうもないですよね。そのへんができるようになると、また魅力が増すんですけどね。
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