LADYWEB よくサッカーマニアとかが、「ワールドカップは本当に世界一を決める大会なのか、ヨーロッパ選手権のほうが素晴らしいのでは」とか言っていますが。今後のワールドカップはどうなっていくと思われますか。
KOH先生 非常に鋭いご質問ですね。
可能性として、私たちが元気なうちは権威があると思うのですが、おっしゃるとおり、将来的には揺らいでくることもあると思います。
フットボールの先進地域であるヨーロッパは、彼らにとっては多分ヨーロッパ選手権のほうが今では価値が高いのかもしれません。ワールドカップは、もちろん優勝したいとは思っているでしょうけれど、一つの名誉に値するものになっていくのかもしれません。むしろワールドカップは、南米も含めたヨーロッパ以外の地域の選手が「自分を売り込む場」となるのではないでしょうか。もう既にそうですが、これからさらにその傾向が強くなるのではないでしょうか。
もう一つは、各国のクラブチームがどんどん多国籍軍になって行っていて、すごい魅力的ですよね。例えばレアル・マドリッドとブラジル代表が試合をしたら、どっちが勝つか全然わからないし、どっちがスペタクルなサッカーを見せてくれるかわからない。レアル・マドリッドと日本代表が試合をしたら、間違いなくレアル・マドリッドのほう何枚も上でしょう。そうすると、例えばレアル・マドリッドVSマンチェスター・ユナイテッドのほうが、クラブチーム、ナショナルチームの区別なく単純に「チーム」としてみたら、今や真の世界一決定戦なのかもしれません。
そういう、クラブ単位で多国籍軍になってきて、ワールドカップのような国別の、国による対抗戦よりも、試合内容がより魅力あるものになってきていることもあります。グローバリズムによってそういう状況がどんどん進んで行くと、国別対抗よりも、クラブ対抗の魅力の方が上回っていく可能性もあるかもしれません。もちろん、ナショナルチーム、すなわち国同士で競う戦いも、これからも十二分に魅力的です。選手たちにとっても、ワールドカップの戦いも、クラブチームの戦いも、それぞれに魅力があり、高いモチベーションになると思うのですが。
私たちとしては、その両方を楽しんでいくことができるという、欲張りな喜びを楽しみたいと思います。
LADYWEB ありがとうございました。(了)
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