2002.6.20
  悔いの残る敗戦…2006年、そして未来へ向かってのリスタート
 

2002ワールドカップKOREA/JAPANのRound of 16で日本はトルコに0-1で敗れ、ベスト8進出はなりませんでした。

正直言って、日本のスターティングメンバーには少し驚きました。三都主を使ってくるかも、という気はしていたのですが、西澤を使うとは想像できませんでしたし、スタメンで三都主を使うなら、全体のバランスをどう取るのかについての明確な意図や指示があってしかるべきではなかったかと感じます。

ロシア戦・チュニジア戦のベンチワークを賞賛しましたが、この試合については、その後の選手交替も含めて「?」です。


トルコをヨーロッパの「強豪国」と認識している人は少ないでしょう。しかし、クラブチームの活躍は近年目覚しいものがあり、「隠れ強豪」といったところでしょうか。

そのトルコに、典型的な「アウエイでの戦い」…試合序盤にセットプレーからゴールを奪い、後はスペースをキッチリ消して守り切る…をやられてしまいました。

逆に日本としては、「典型的なホームチームの負け方」を演じさせられてしまったわけです。

もっと強引に攻めて欲しかった、という感想をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、トルコには流石に、そういう隙を与えないで90分間逃げ切る熟練した力量を持っていました。こういう展開になると、世界の強豪国でも打開することはなかなか困難なのに、今の日本の場数・経験・力量では苦しくなります。それでも何とかゴールマウスをこじ開ける可能性を感じさせる機会を1度でも2度でも多く作り出すことのできる創造力・技量・力を、もっともっと磨いて行って欲しいと思います。

もう1つ、激しい雨も日本には誤算だったと思います。

滑りやすいボールは、日本のベースである細かいパス回しに大なり小なり悪影響を及ぼします。

また、日本の選手たちは全体的に、スリッピーなピッチ状態でのボールコントロール(特にファーストタッチ)の精度が相変わらず一歩。これでは、ワールドカップの試合では、ことごとく相手選手のチェックを受けてしまいます。ほんの何十センチの誤差と思うのですが、選手たちには課題意識を持って努力を積み重ねて行って欲しいものです。


もっと上位に進出できる千載一遇のチャンスであったことは事実です。これから先、自国開催のワールドカップを戦える機会は、二度と訪れない確率が高いのですから。

それだけに、あと1つでも勝ち上がって欲しかった、というのが本音です。

「フットボールの神様」は、まあそんなに一度に欲をかくなよ、ということなんでしょう。

一歩一歩着実に本当に力をつけて行きなさい、ということなんでしょう。


それは、選手たちだけ、ではありません。

日本サッカー協会も、Jリーグ関係者も、全国各地に無数に存在するクラブ関係者も、日本のサッカーに関わる全ての人々も、です。

もちろん、サポーターも、私たちも。


私自身、決勝トーナメント進出を果たした後のイメージを、ほとんど持つことができていませんでした。何しろ未知の領域ですから、仕方がないと言えば確かにそのとおりなのですが、まだまだ私たちも場数不足、経験不足なのです。

私たちも、もっともっと理解と成熟を深めて、世界のフットボールシーンの中で少しずつ成長していくこと、少しずつ昇っていくことが求められているのだと思います。

そのことを、改めて感じさせられました。
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