2003.6.28
  「A代表強化月間」を振り返ってみましょう
  ・・・1st half
 

皆さんご存じのように、フランスで開催されたコンフェデレーションズカップに出場した日本代表は、グループリーグで敗退し、決勝トーナメントに進むことができませんでした。合計5試合を戦うことができたのに3試合しか戦えなかったことが、結果以上に非常に残念です。

さて、5月末からコンフェデにかけての1ヶ月は、J1リーグを長期中断させてまでの「A代表強化月間」となりました。(J2リーグは通常どおり行われていますが。)コンフェデだけでなく、この1ヶ月のA代表の試合を振り返ってみましょう。


日本VS韓国

まず、最初の試合は5月31日のホームでの韓国戦でした。元々、東アジア選手権が横浜で開催されることになっていたのですが、やむなく延期され、その代替試合として急遽決まったものです。4月16日にはアウェイで韓国戦を行っていますから、リマッチということになります。

日本のスタメンは、GKが楢崎、右サイドバックが名良橋、左サイドバックが服部、センターバックが秋田と森岡、中盤の底に稲本と中田浩二、中盤の前目に小笠原と三都主、ツートップが中山と鈴木という、従来の4-4-2システム。4月の韓国戦と比べると、帰国した稲本と鈴木が入ったことが違うだけ。全く同じコンセプトで臨んだ形です。

試合の方ですが、正直言って私は、前半の途中から内容の乏しさに失望してしまっていました。結果は終盤に、オーバーラップした名良橋が前線へのパスをモロに相手に渡してしまい、そこからガラ空きの右サイドを突かれて折り返され、ゴール前に3人も詰められての失点で、0-1で敗れました。メディアでも取り上げられましたが、日本のシュートも数えるほどで、せっかく雨の中、国立競技場に駆けつけた満員の観客に対して、非常に不甲斐ない試合をしてしまったと言うべきでしょう。

内容と結果から言うのではなく、私は試合前から、この試合を行う意味があったのか非常に疑問を感じていました。確かに急遽決まった試合で悪天候にもかかわらずスタンドは満員。テレビの視聴率も相変わらず高い数字を記録しています。ですが、最近の国際Aマッチには、どこかしら興行優先のマッチメークの雰囲気が強く、問題を感じてしまいます。興行も重要ですが、あまりにそちらにプライオリティが置かれるのは、いかがなものでしょう。フットボールの世界は、シャレでは通用しないのですが。

それから、後半立ち上がりの、立て続けにモロに韓国選手にボールをプレゼントしてしまう稲本のパスミス連発は、一体どうしちゃったの?というくらいズッコケてしまいました。ああいうプレーは勘弁してもらいたいところです。後半は韓国にほとんどボールを支配されたわけですが、そのリズムを生む大きな要因になったと思います。稲本の攻撃力、得点能力は大いに評価していますし、スケールの大きな国際的プレイヤーに成長してくれることを期待していますが、これでは中盤の底は任せられません。所属するイングランドのフルハムでも、同様の考え方をされているのではないでしょうか。

また、4月の試合では存在感を示した小笠原も、今回は韓国側に警戒されていたこともあってか、ほとんど効果的なプレーができませんでした。もっと創造性を発揮して欲しかったところです。それから、三都主の低調なパフォーマンスについては、もうこれは何とかしてよ、という感じ。もう1つ、ベテランで固定化された感のあるディフェンスラインについては、押し上げもビルドアップも見られず、本当にこの顔ぶれでこれからもやっていこうとしているのなら、それはやはり大きな疑問です。

というわけで、ホームの韓国戦は、近来にない低調な国際Aマッチとなってしまいました。
page2に続く)

 
 


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