2003.6.28
  「A代表強化月間」を振り返ってみましょう
  ・・・1st half
  日本VSアルゼンチン

続いて行われたのは、6月9日の大阪・長居スタジアムでのアルゼンチン戦です。アルゼンチンとは、昨年11月に続いてのホームでの対戦となりますが、今回はいわゆるスター選手たちの多くが来日しておらず、アイマール、サビオラ、リケルメ、コロッチーニなど、若いタレント(彼らも十分国際的なスター選手ですが。)を中心としたメンバーとの対戦になりました。とはいえ、むしろこのメンバーの方がおもしろくて激しい試合になる予感がありました。また、日本も中田英寿が加わり、結構きわどい試合になるかと思ったのですが…。

日本のスタメンは、GKとディフェンスラインは韓国戦と全く同じ、中盤の底には稲本、中田浩二、小笠原を並べる3ボランチのような形に見えました。そして中盤の前目に中田英寿を置き、中山と鈴木という韓国戦と同じツートップを起用しました。中田英寿と小笠原のコンビに期待していたのですが、前半に鮮やかな2ゴールを奪われてしまい、後半もコーナーキックからの秋田のヘッドで1点を返したものの、さらに2ゴールを奪われて1-4の完敗でした。

試合自体は高視聴率にも見合う、かなり面白いものになったと思います。しかし、日本代表のパフォーマンスに関しては、こんなんではちょっとマズイんじゃない?というのが正直な感想でした。日本のフットボールは、独自のスタイルなり独特の文化を形成しつつあるところとはいえ、既に伝統的に確立された(手に入れた)と言ってよい部分もあります。その1つが、中盤での組織的なプレスによるボール奪取、そのために欠かせないコンパクトなサッカーでしょう。1993年のラモスや三浦和良(カズ)が中心だった「ドーハの悲劇」のチームから昨年のワールドカップのチームまで、監督や代表メンバーが変わることがあっても脈々と受け継がれてきたのは、そうした日本スタイルであったはずです。ところが、今回のアルゼンチン戦を見て、その日本の良さ、長所が忘れられつつあるように感じられたのです。これは由々しき問題です。

アルゼンチン戦を見ていて、試合結果よりも私はそのことに失望を感じてしまいました。
page3に続く)
 
 

Copyright © 2002-2003 Digi-RATA,Inc.
All rights reserved.