2003.7.3
  「A代表強化月間」を振り返ってみましょう
  ・・・2nd half
  日本VSフランス(6月20日:サンテティエンヌ)

この試合、フランスは「2軍」というコメントが旧来メディアで頻繁に見られました。確かに、ジダンなど世界的なスター選手の何人かは今大会そのものに召集されていませんし、この日本戦のスタメンも、フランスの初戦(コロンビア戦)よりもさらにメンバーを大幅に入れ替えてきました。が、これは「ターンオーバー制」というものです。「2軍」という表現は全く不適切。フルメンバーではない、とは言えるでしょうが、仮にもA代表です。A代表に「1軍」とか「2軍」という言い方は当てはまりません。日本のメディアの悪しき慣習は、改めていただきたいものです。

日本はニュージーランド戦と全く同じスタメン。キックオフから互角と言っていい攻防を展開しましたが、前半終了間際に、フランスのコーナーキックの場面で稲本がファウルを取られてペナルティキックを与えてしまい、これを決められて1-0で前半を終了します。このPKについては、確かに稲本は相手選手を掴んでいたのでファウルなのですが、PKを取るほどのものか大いに疑問を感じました。ただ、この試合のレフェリーは、日本選手の相手を掴むプレーに対して繊細になっている感じがありましたので、不用意だったと言わざるをえません。が、問題なのは、その前のCKを与えてしまった場面です。宮本の軽率なプレーが原因だったのですが、あれはいただけません。まるで、昨年のワールドカップのトルコ戦で失点のきっかけとなったCKを与えた中田浩二のプレーと同じです。CKになった瞬間、嫌な感じがしたのは私だけではないと思います。

後半に入って、日本は同点に追いつきます。フランスゴール中央やや左寄りの位置からのフリーキックを、遠藤保仁のフェイクから中村俊輔が鮮やかに決めました。中村俊輔の評価をさらに高めたゴールと言えるでしょう。(ただ、中村俊輔がFKを決める時はいつも同じコース。段々国際的に知られてくると、コースを読まれてしまうのではないでしょうか。セリエAでは、もう読まれている気がしますが。)ところがその直後、フランスの左サイド(日本では右サイド)深い位置からのクロスに対して、ディフェンスラインの実にまずい位置取りでフランスのフォワードの選手にドンピシャで受けられてしまい、ワントラップから豪快に叩き込まれてしまいます。日本のゴール前に何人も居ながら、たった1人に入り込まれてゴールを奪われてしまう、日本のディフェンスの脆さが露になってしまいました。

日本も惜しいシーンが続きます。右に開いて相手ディフェンダーと競り勝った高原が左足でクロスを入れ、2列目から走り込んだ中田英寿がボレーで叩きましたが、残念ながらクロスバーを越えてしまいました。国際的なプレイヤーである中田英寿なら、是非決めて欲しかったシュートです。ただ、全速で走り込んだ所に高原のクロスがやや体の横に来てしまい、確かに難しいシュートではあったのですが。この後も、中村俊輔がFKを決めたのと同じような位置から、今度は遠藤保仁が蹴り、惜しくもクロスバーを叩きます。中村俊輔のジダンばりの足の裏フェイントからの惜しいシュートもありました。最後まで積極的な攻撃を見せた日本ですが、残念ながら追いつくことができず、1-2で落としてしまいました。ただ、現地でも日本のパフォーマンスには称賛の声もあったようで、試合自体は良かったと思います。負ける試合ではなく、非常に悔しい試合でした。
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